精度を求められる
前日の疲れをとるためにグラビンは、普段の8割程度の力で軽く投げはじめ、まずはバッテリー間の距離から、そして次第に距離を27メートル、36メートルへと伸ばしていきました。
どんな球を投げているのか確かめるためにカーンが打席に立つと、18メートル、27メートル、36メートルの距離から、外角低めにコントロールされた球を投げ込んできたというのです。
36メートルの距離から直径約30センチのキャッチャーミットにボールを投げ込むのは、大変なことです。
ダーツで、ダブル・ブルズアイに的を当てるのにほぼ等しい精度が要求されるのです。
精度を求められるのは、ピッチャーだけではありません。
野手が送球する時は、相手も手を伸ばしてキャッチできるので、ピッチャーほど高い精度は必要とされないかもしれませんが、直接、塁を狙って投げる時は違います。
高い精度が求められるのです。
キャッチャーが2塁、あるいは3塁手が一1を狙って投げるには、ピッチャーがキャッチャーミットに投げ込む時と同じぐらいの精度が、また外野手がセンター奥深くからホームに向かって返球するには、ピッチャーがストライクゾーンの外角、内角いずれかに正確に投げ込むほどの精度が求められるのです。マシスによると、野手が投げるボールは、ノーラン・ライアンやランディ・ジョンソンの投げる球ほどの速さはないかもしれません。しかし、キャッチャーが盗塁するランナーを2塁で刺したり、ショートが三遊間を抜けるような深いゴロをキャッチして1塁に送球し、間一髪アウトにしたり、あるいはライトが矢のような送球で3塁や本塁でランナーを刺すこともあります。
こうした球を見れば、彼らの球がどれだけ凄いのか容易に想像がつくのです。
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